目次へ戻る

 

三つ子の魂百まで

2004年9月5日

宇佐美

 

 週間文春(2004.9.9号)の「松井秀喜独占インタビュー連載第23回」(ヤンキースで大流行のメイド・インジャパン)には面白い記述がありました。

先ずは、“メジャー最高のクローザーであるヤンキースのリベラ投手のエネルギー源がユンケルである話が紹介され、更には、今期から、ヤンキースのベンチに入り大活躍しているシェフィールド外野手が、松井選手と東京ドームでの開幕戦の為、日本に来た時「真っ先に〃どこで(愛好している目薬「ロートジー」)売ってるんだ?〃って聞いて、大量に買い込んでいました。」との話もさることながら、「五本指のソックス」に関しての次のような逸話にはビックリしました。

 

 彼(シェフィールド選手)はそういう新しいものに、結構、興味を抱く性格なのか、ヤンキースに来たら、僕がはいている五本指のソックスにも興味を示して、すぐに〃ちょっとはかせてくれないか〃って言ってきましたからね」

 

――五本指のソックスですか。松井さんは昔から愛用しているんですか?

 

「プロに入って三年目ぐらいから、ずっと五本指ですよ(笑).もう手放せません」

 

――何がそんなにいいのですか?

 

「やっぱりムレないのが一番ですね。僕たちはスパイクを履くじやないですか。

あのスパイクっていうのが、色々と工夫はしてもらっても、」とうしてもムレるんですよ。

 シェフの場合は、しかもストッキングを三枚重ねにして、その上からスパイクを履いていたらしいんです。だから余計にムレる。

それで僕の五本指ソックスを試してみたら〃ヒテキ、これは最高だよ!〃って(笑)。もうそれからすっかり愛好者になっちゃいました。あといま、ちょっと病気でチームを放れていますけど、ジエイソン(ジアンビ内野手)も、一度はいてみたら〃ヒテキ!グッド!!〃と大のお気に入りになっちゃいました。ヤンキースでは五本指ソックス愛好者が三人も.います(笑)!」

 

 更に驚いたのは次なる松井選手ご自身に関する話です。

 

――野球選手って、結構、水虫の人が多いじゃないですか。水虫の防止にも五本指のソックスはいい?

 

「確かにスパイクはムレるけど、野球選手に水虫が多いってのは偏見だな!ただ、間違いなくいいと思いますよ。

 でも、水虫って不潔にするのが一番悪いんじゃないですか? 僕は子どもの頃からスパイクを履いているけど、実は水虫にはなったことがないんです。それは風呂に入ったときに足の指の間までキチッと石けんで洗って風呂から出たらタオルでよく拭くからなんです。濡れたまんまで靴下はいたりするのは、絶対にダメですよね。僕はそれから足の指にドライヤーをかけて乾かしますから! そうやって清潔で、乾燥した状態を保っていれば水虫も怖くないんです」

 

 大リーグの大舞台で活躍する松井選手にはこの様な繊細な面があったことを知って驚き感嘆しました。

 

 私などは、「足の指の間までキチッと石けんで洗っ」た事はありません。

プールで泳いでいればいつも綺麗?

タオルでよく拭く」もせず、足ふきマットで拭く位。

それでも足が濡れていたら、自分のズボンの裾で拭いてしまいます。

ドライヤーをかけて乾かします」に至っては、どなたもビックリではないでしょうか?!

 

 そして、その1週間前の週間文春(2004.9.2号)では、次のようでした。

 

これが体調管理につながるのかどうかは疑問だけど、lつすごく気になることがありますね。それはあらゆる点で清潔じゃなければ気がすまないこと!」

 

 何ですか、それ?

 

「ウーン、例えば外でトイレに入るじゃないですか。

用をたして手を洗うとき、蛇口を触るのが嫌なんですよ。何か汚い気がして

で、わぎわざ先にペーパータオルをとっておいて、手を洗ったらそのタオルで蛇口を回しています。前は全然気にならなくて、平気で蛇口を稔ってたんですけどね。電車はあまり乗らないからいいけど、去年道が渋滞していて地下鉄でヤンキースタジアムに行ったときも、つり革と言うか金属製の柱なんかも絶対に触れなかったですね。いつからだろう……気になりだしたらタメなんですよ。オレってプチ純潔症かな!?

 

 それに又、「賞味期限への拘り」もあるとも事。

本当にビックリです。

私などは、賞味期限が切れても、一寸位味が落ちる位なのだからと思って、パクパクと食べてしまいます。

 

 でも、友人達が「ここのお店のラーメンは美味しいよ」と誘ってくれても、残念なことに店構えが汚いと中へ入れないのです。

(屋台で食べたことは一度もありません。)

これは、戦争直後の教育で、衛生観念を徹底的に叩き込まれた為と思っているのです。

一寸でもハエがたかったら、食べずに捨てなさい!

落とした食べ物など食べてはいけません!

お金は汚いから,お金を触った手で食べ物に触れてはいけません!……”

(ですから、トイレの蛇口は、手を洗ったあと、その蛇口に水をおまじないのように掛けてから蛇口をひねっています。)

 

 ところが、私はヨーロッパに行ってビックリしたのです。

 バールなどでは、食べかけのサンドウィッチなどをカウンター(ステンレス製)の上に置き、又それを食べているのですから!

なにしろそのカウンターの上では、常にお金が行き交っているのですから!

“お金は汚いから,お金を触った手で食べ物に触れてはいけません!”どころの騒ぎではないのです!

 

従って、今では、長い年月、行き過ぎた(?)衛生教育から脱却出来ずに、多くの美味しいものを食べられずに随分存したなと反省しているのです。

(と申しましても、戦後の衛生教育がなかったら、食中毒などに罹り、私は今頃は、この世には居なかったかもしれません。)

 

 松井選手の発言を見聞きするたびに、瑠璃教の開祖様のおばあ様、そして、現教祖様のお父様の松井選手に対する家庭教育の立派さを感じていました。

(しかし、足の指へのドライヤーの件はともかく、トイレの蛇口などの「オレってプチ純潔症かな!?」の件は、一寸ばかり行き過ぎ?)

 

 毎日新聞(8月22日)には、『「反日」で生きのびる中国』の著者・鳥居民氏の次の記事がありました。

 

 サッカーのアジア杯で噴出した中国の反日感情は多くの日本人を驚かせた。その背景にあるとされる愛国主義教育の危険性を説き、今回の騒動を予言した形になった。

 「幼稚園から愛国主義教育を徹底されたらどうにもならない。『反日』感情は定着してしまったと思います

 トウ小平が市場経済に踏み切ってから、中国は階級闘争を唱える運動で国民を統合できなくなった。94年に共産党は「愛国主義教育実施綱要」を公布し、江沢民時代の到来とともに翌95年から愛国主義の鼓吹が始まった。「抗日戦争勝利50周年」にあたったこの年の「反日」キャンペーンは4カ月に及んだという

……

 来年の戦後60年をひかえ、現在の胡錦濤指導部に変化がないわけではない。

 一昨年来、「日本軍国主義の復活はない」などと主張する『人民日報』論説委員らの「対日新思考」が論議を呼んだ。政府内に対日政策を変更する兆しがあるという。

 日中貿易はいまや1300億ドルに達し、経済的つながりは紛争を防止するのに十分なほど強くもなった。

 しかし一方で、台湾海峡で波風を起こし、人々の愛国主義に火をつけようとする動きも見え隠れしている

 「日本は、嫌日感情の基になっている教育をやめるよう中国政府に辛抱強く言い続けるべきです」と訴える。

……

 「中国には、党の統治を続けるために敵をつくるのをやめようとした胡耀邦がいた。彼のような政治家は既に登場していると思います」……

 

 私の受けた戦後の衛生教育の例を鑑みると、鳥居民氏の「幼稚園から愛国主義教育を徹底されたらどうにもならない。『反日』感情は定着してしまったと思います」とのご指摘は当然と存じます。

 

 しかし、「日本は、嫌日感情の基になっている教育をやめるよう中国政府に辛抱強く言い続けるべきです」と、中国側に言う前に、我が国、日本側の反省を忘れずに行うべきと存じます。

今回のアジア杯に於ける、日本チームのみにブーイングを浴びせた中国側の応援に比較して、2002年に日韓で開催された際の、自国のみではなく世界の国々を応援した日本の若いサッカーファンの態度は立派だったし、世界に誇れる行為と存じます。

そしてこの若者達の行動は、戦後日本に於ける「愛国主義教育」ではない、「平和主義教育」の成果であるとも思います。

 

 ところが、週刊朝日(2003年06月20日号)には「愛国心とは何か? 教育基本法改正論議で見えた自民・文教族の変質」と、次のような記事が載っていました。

 

 

 教育基本法の見直しをめぐり、自民党と公明党が「愛国心」の扱いで譲らず、今国会に改正案を出すのは難しくなった。学力低下やいじめ、不登校など教育現場では緊急の課題が山積みの今、なぜ基本法、愛国心なのか。失速の背景を探ると、自民党文教族の変質ぶりが透けて見える。……

 今回、基本法見直しの流れが加速したのは、00年12月、森前首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」が見直しを提言したことがきっかけだ。続いて中央教育審議会(文科相の諮問機関、中教審)も今年3月、「郷土や国を愛する心」などの理念を盛り込んだ改正をするよう答申し、文科省が法改正の準備に入った。……

 中教審は、中間報告の素案に記した「愛国心」を、中間報告や答申では「国を愛する心」と書き換えた。委員から「偏狭なナショナリズムと誤解される」などと指摘があったためだが、これに不満を持つ自民党議員も多い。

 たとえば、中曽根康弘元首相(当選20回、85歳)は、

 「偏狭な先入観があるからで、まだ及び腰だ」

 と言う。先の町村氏も同じ思いを持っている。

 「僕も『愛国心』のままでいいと思う。中国共産党でも米国でも、どこにでも愛国心はある。どうして日本は愛国心がイデオロギーになってしまうのか不思議だ」 ……

 ただ、同じ文教族でも「愛国心」への「こだわり」にはずいぶん濃淡がある。

 河村建夫文科副大臣(当選4回、60歳)は、

 「『愛国心』を『国を愛する心』と書いても、英語に直したら一緒だしね。そんなに強くこだわらなくっていいと思う。国民が受け入れやすいのが『国を愛する心』なら、できるだけ受け入れやすい表現がいいだろう。そもそも若い人にはかつての愛国心の意識はない。一方的に愛せ愛せと言って、愛国心が生まれるものでもないしねとさっぱりしたものだ。……


 町村氏の  

僕も『愛国心』のままでいいと思う。中国共産党でも米国でも、どこにでも愛国心はある。どうして日本は愛国心がイデオロギーになってしまうのか不思議だ」 ……

との見解にある「中国共産党による愛国心」は、今回のアジア杯に於ける日本チームバッシングに発展したのではありませんか!?

又、「米国での愛国心」は、イラク攻撃の暴挙に展開されたのではありませんか!?

 

 ですから、私は、河村建夫文科副大臣の

そもそも若い人にはかつての愛国心の意識はない。一方的に愛せ愛せと言って、愛国心が生まれるものでもないしね

との見解に大賛成です。

 

 「愛国心教育の必要性」を説く議員本人自身が、立派で、世界に誇れるような御人物達ならば、若者達は、自ずから彼等を誇りに思い、自分の国を誇りに思い、はたまた自分の国を愛するようになるでしょう。

 

 ところが、「愛国心教育の必要性」を説く議員達は、多額の国債を発行して、国民の財産を(自分達の選挙対策の為)好き勝手に無駄遣いして、国家財政、そして年金までもガタガタにし、その後始末を若者達に押し付けているのです。

その若者達に「国を愛せ!」と教育するなどおこがましいにも程があると思うのですが??

 

 それでも、彼等の影響なのでしょうか?

イラクでの人質事件の際には、被害者そしてご家族の方々へ「自己責任」バッシングの嵐が吹き荒れてしまいました。

 

 更には、サッカーアジア杯での中国の日本チームへのブーイングに対して、自国中国側の反省点を的確に吐露して下さり感銘を与えて下さった、東海大学教授の葉千栄に対しては、勤務先の東海大学へ東海大学は国賊だ!」、「何故こんな中国人雇う!」との電話攻撃、そして、毎日「中国の豚」書き込むホームページの存在!(拙文悲しい日中、人間模様」を御参照下さい等、誠に悲しく恥ずかしくなる事態の出現。

 

 「こんな事は、いつの時代にもあることだ!」で、済ませてしまって良いのでしょうか?

 

目次へ戻る